骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症は、骨の中がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。特に 閉経後の女性高齢の方痩せ型運動が少ない方喫煙・飲酒が多い方 では発症リスクが高くなります。

骨が弱くなっても 初期には痛みがほとんどなく、気づきにくい ため、気づかないうちに骨折しているケースも少なくありません。背中が曲がる、身長が縮むなどの症状が見られることもあります。
骨折は寝たきりや生活の質の低下につながるため、早めの検査・予防が重要です。

内科で骨粗鬆症外来を行う意義 ― なぜ内科なのか?

骨粗鬆症は「骨の病気」と思われがちですが、実際には 生活習慣病や内分泌(ホルモン)、栄養状態など全身の健康と密接に関係した病気 です。

内科で診療するメリット:

  • 生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)との併存が多いため、全身を総合的に管理しながら治療できる
  • 甲状腺疾患、腎臓病、ステロイド使用など“二次性骨粗鬆症”の鑑別ができる
  • 内科医は長期フォローアップを得意としており、**「骨折する前の予防医療」**を徹底できる
  • 整形外科は骨折後治療が中心、内科は骨折予防のための継続的な管理が中心になる

アカラクリニックでは内科の総合力を活かし、「折れる前に守る」治療を行います。

どんな人が骨密度検査(DXA)を受けるべき?

骨粗鬆症は自覚症状が少ないため、リスクのある方は早めに検査を受けることが推奨されています。
以下に一つでも当てはまる方は、骨密度検査を強くおすすめします。

1. 性別・年齢によるリスク

  • 50歳以上の女性(特に閉経後)
  • 65歳以上の男性
  • 急に身長が縮んだ、背中が曲がってきたと感じる方

2. 既往歴・基礎疾患

  • 骨折の既往がある(特に背骨・手首・大腿骨)
  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病
  • 甲状腺機能亢進症
  • リウマチ・膠原病
  • 慢性的にステロイド(プレドニン等)を使用している
  • 消化器疾患などで栄養吸収が悪いと言われたことがある

3. 生活習慣によるリスク

  • 運動習慣が少ない、ほとんど歩かない
  • 喫煙
  • アルコール摂取が多い(毎日飲む、1日2合以上など)
  • リウマチ・膠原病
  • 極端なダイエットをしている
  • 日光を浴びる時間が少ない(ビタミンD不足)

4. 体質・家族歴

  • 痩せ型(BMI 18.5未満)
  • 家族に骨粗鬆症の方がいる
  • 背骨が潰れた骨折(椎体骨折)を家族が経験している

5. その他

  • 長期間の閉経後
  • 転倒しやすい、足腰の筋力低下がある

早期に骨密度を知ることで、骨折を未然に防ぎ、日常生活の質を大きく改善できます。

検査について ― DXAによる正確な測定

当院では、腰椎と大腿骨を測定できる最新のDXA(デキサ)装置を導入しています。
日本骨粗鬆症学会が推奨する ゴールドスタンダードの検査方法で、
手のレントゲンや簡易測定器よりも、圧倒的に正確な数値が得られます。

1. DXA(デキサ)法:腰椎・大腿骨の骨密度測定

  • 検査時間:10〜15分程度
  • 痛み:なし
  • 被ばく量:非常に少ない(通常の胸部レントゲンの約10分の1以下)
  • 主要な骨折リスクに直結する部位(腰椎・大腿骨)を精密に評価

2. 血液検査(骨代謝マーカー)

骨密度だけでなく、

  • 骨形成
  • 骨吸収
  • カルシウム・ビタミンD

などのバランスを評価します。

「いま骨が溶けているのか?」
「骨が作られにくい状態か?」
を知ることで、より正確な治療方針を立てることができます。

治療方法について

骨粗鬆症治療は、患者さんの年齢、骨折リスク、骨代謝のタイプに合わせて選択します。
アカラクリニックでは、内科として 長期的に負担の少ない治療 を提案します。

1. 注射による治療

  • 半年に1回の注射
  • 月1回の注射

など、通院頻度を減らせる治療があり、続けやすさが大幅に向上しています。

効果:

  • 骨を壊す働きを止める
  • 骨を強くする
  • 骨折リスクの低減

特に 大腿骨の骨折リスクが高い方、すでに骨折歴がある方 には有効です。

2. 飲み薬(内服薬)

患者さんの生活スタイルに合わせて種類を選べます。

  • 週1回の飲み薬
  • 月1回の飲み薬
  • 毎日の薬
  • 胃腸が弱い方でも使えるタイプもあり

注射と組み合わせて使用するケースもあります。

生活習慣・食事で気をつけること

骨粗鬆症治療は「薬だけ」でなく、日々の生活も大きなポイントです。

1. 運動

  • ウォーキング
  • 軽い筋トレ
  • かかと落とし運動

適度な負荷をかけると、骨が強くなります。

2. 食事

  • カルシウム(乳製品、小魚、豆腐、青菜)
  • ビタミンD(鮭・サバ・きのこ類、日光浴)
  • タンパク質(肉・魚・卵・大豆製品)

特にビタミンDは不足しやすく、
血液検査で不足をチェックすることが大切です。

3. 生活習慣

  • 禁煙
  • 飲酒の量を控える
  • 転倒予防(部屋の整理、滑りにくい靴、夜間照明など)

骨を「減らさない」「折らない」体づくりが重要です。

骨粗鬆症は“気づいた時には骨折している”病気です

骨量は50〜60歳で急激に低下します。
しかし痛みもなく進むため、気づかないまま骨折につながることがあります。

アカラクリニックでは、
DXAによる精密な測定と、内科の総合診療の視点 から、
一人ひとりに最適な治療と予防計画をご提案します。

「骨折する前に、正確な検査を」

気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。