アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性的な皮膚の病気です。症状の強さや出る場所は人によって異なりますが、顔や首、関節部分に左右対称に現れることが多く、乳幼児から成人まで幅広い年齢層で見られます。
アカラクリニック(鎌倉市・大船駅近く)では、皮膚科専門医が一人ひとりの症状や生活背景に応じて診察を行い、治療や日常生活の工夫について丁寧にアドバイスをしています。

アトピー性皮膚炎の主な症状

受診の目安

アトピー性皮膚炎は、慢性的なかゆみや湿疹によって睡眠や集中力に影響を及ぼし、生活の質を大きく損なうことがあります。症状が長引いたり、改善と悪化を繰り返している方は、なるべく早く医療機関の受診を検討しましょう。かゆみを我慢してしまうことで症状が広がることもあるため、初期の段階から適切な対応が大切です。

診療方針

悪化要因は人それぞれ異なり、生活環境や心理的ストレスが関係することもあります。

お話を伺い、スキンケアの方法や外用薬の使い方、生活上の注意点をお伝えしながら、一人ひとりに合った治療計画を立てています。患者さまが病気を正しく理解し、自分に合ったセルフケアを実践できるよう、丁寧な診察と情報提供を心がけています。

乳幼児のアトピー性皮膚炎も対応しており、アレルギーマーチ(食物アレルギーや喘息などへの移行)予防の観点からも、早期の適切な対応が重要だと考えています。

 

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療は、①スキンケア(皮膚の清潔を保ち、うるおいのある状態を保つこと)、②薬物療法(皮膚の炎症を抑える治療)、③悪化要因の対策(環境中の悪化因子をみつけ、可能な限り取り除くこと)の3つが治療の基本となります。

治療の最終目標は、症状がないか、あっても軽く、日常生活に支障がなく、薬による治療もあまり必要としない状態になり、それを維持することです。

当院では、日本皮膚科学会のガイドラインに基づき、保湿剤によるスキンケア指導、下記外用薬を用いた治療、必要に応じて抗ヒスタミン薬の内服などを行っています。

外用薬

また、重症度に応じて、生物学的製剤(デュピクセント®・イブグリース®など)、JAK阻害薬(オルミエント®・リンヴォック®・サイバインコ®)による治療も可能です。

生物学的製剤・JAK阻害薬によるアトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎に対する治療は、これまで主にステロイドや保湿剤を中心とした外用療法が基本でしたが、近年新たな治療選択肢として「生物学的製剤」や「JAK阻害薬」などの新薬が登場しています。

当院では、一定期間既存治療を行っても十分な改善が得られない難治な方(重症度評価Eczema Area and Severity Indexで中等症から重症・最重症の方)に対し、症状や生活背景に応じて、最新の治療選択肢をご提案いたします。詳しくは医師にご相談ください。

デュピクセント®(デュピルマブ)【皮下注射】

アトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤として2018年に国内で承認された生物学的製剤で、炎症やかゆみの原因とされるIL-4・IL-13を選択的に阻害することで、皮膚のバリア機能を改善し、かゆみや湿疹などの症状を抑える働きがあります。

生後6ヶ月以上の小児にも適応はありますが、当院では自己注射が可能な方にのみ導入しております。

イブグリース®(レブリキズマブ)【皮下注射】

アトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤として2024年に国内で承認された生物学的製剤で、炎症やかゆみの原因とされるIL-13を選択的に阻害することで、皮膚のバリア機能を改善し、かゆみや湿疹などの症状を抑える働きがあります。

小児は12歳以上かつ体重40Kg以上のアトピー性皮膚炎の方に適応はありますが、当院では自己注射が可能な方にのみ導入しております。

JAK阻害薬【内服薬】

炎症の信号を伝える経路のひとつである「JAK-STAT経路」をブロックすることで、アトピー性皮膚炎の症状に関与する複数のサイトカインの働きを抑えることで、かゆみや皮膚の炎症を抑えます。

導入前に内科で胸部X-pや血液検査、導入後も定期的に血液検査が必要な薬剤です。
当院では内科と連携しながら、安全性に配慮して使用しています。

・オルミエント®(バリシチニブ)

2歳以上から使用可能ですが、定期的に血液検査を行う必要があるため、当院では12歳以上の方に使用しています。

・リンヴォック®(ウパダシチニブ)

12歳以上かつ体重30Kg以上の小児も使用可能です。

・サイバインコ®(アブロシチニブ)

12歳以上で使用可能です。

 

 

アカラクリニックでは、日本皮膚科学会のガイドラインに基づき、このような新しい治療薬を適切に取り入れ、必要に応じて内科医と連携を取りながら診療を行っています。

ご希望の方は診察時に医師にご相談ください。